2026年版|配管工事業界の材料価格高騰の実態と対策方法を名古屋の業者が解説

配管工事業界では、2024年以降も続く原油価格の高騰や円安の影響により、塩ビ配管などの石油製品系資材を中心に価格高騰と納期遅延が深刻化しています。愛知県大府市に本社を置き、名古屋市緑区の自社工場で各種配管工事・溶接加工を手がける私たちも、現場での材料確保に苦慮する場面が増えてきました。本記事では、配管工事業界が直面する材料価格高騰の実態と、現場で実践できる対策方法について解説します。
目次
配管工事業界の材料価格高騰の現状
2024年から2026年にかけて、配管工事業界では深刻な材料価格高騰が続いています。特に塩ビ配管、鋼管、銅管などの主要資材は2022年比で20~40%の価格上昇が見られ、現場での調達コストが大幅に増加しています。
経済産業省の企業物価指数によると、2026年3月時点で化学製品(プラスチック製品含む)は前年同月比で15.2%上昇、鉄鋼製品は12.8%上昇と高止まりの状態が継続しています。
「見積もりを出してから発注までの期間が長引くと、その間に材料価格が上がってしまい、当初の見積額では赤字になるケースも出ています」という声が大府市や名古屋市内の配管工事業者からも聞かれます。
さらに納期の遅延も深刻化しており、通常1週間で入荷していた塩ビ配管が1ヶ月待ちになるケースも発生しています。これにより工期の遅れや売上計上時期のズレが生じ、経営面でも大きな影響が出ています。
材料価格高騰の主な原因

配管工事業界における材料価格高騰の背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。
原油価格の高騰
塩ビ配管やポリエチレン管などのプラスチック製品は石油を原料としているため、原油価格の変動が直接的に影響します。2026年の原油価格は1バレル85~95ドルで推移しており、2020年比で約60%上昇しています。
円安による輸入コスト増
2026年の為替相場は1ドル150円前後で推移しており、輸入資材のコストが大幅に上昇しています。銅管や特殊合金配管など海外から調達する資材は、円安の影響を強く受けています。
物流コストの増加
トラックドライバー不足と燃料費高騰により、物流コストが2022年比で25~30%上昇しています。配管資材は重量物が多く、輸送コストの影響を受けやすい特性があります。
世界情勢の不安定化
国際情勢の緊張により、資源価格の変動リスクが高まっています。特に鉄鋼製品やレアメタルを使用する特殊配管材料は、供給不安の影響を受けやすい状況です。
塩ビ配管など主要資材の価格推移
配管工事で使用する主要資材の価格推移を具体的に見ていきます。
表のとおり、特に石油製品系の塩ビ配管と銅管の価格上昇率が高く、現場での材料費負担が大きくなっています。東海三県の配管工事現場でも、同様の価格動向が確認されています。
材料価格高騰が現場に与える影響
材料価格高騰は、配管工事現場に多方面で影響を及ぼしています。
着工延期と工期の遅れ
材料が確保できないため、予定していた工事の着工が延期されるケースが増えています。特に塩ビ配管を使用する排水工事や、プラント工事における特殊配管では、1~2ヶ月の遅延が発生することもあります。
利益率の低下
見積時と発注時で材料価格が変動するため、当初の利益計画が崩れやすくなっています。特に大型案件では、数百万円単位のコスト増が発生するリスクがあります。
売上計上時期のズレ
工期延長により、予定していた月内の売上計上ができず、経営計画に影響が出ています。資金繰りにも注意が必要な状況です。
顧客との価格交渉の難航
既に契約済みの案件でも材料価格が上昇した場合、追加費用の請求について顧客との調整が必要になるケースが増えています。
東海三県の配管工事業者が実践する対策方法
材料価格高騰に対応するため、私たちが実践している対策方法をご紹介します。
複数の仕入れ先確保
特定の仕入れ先に依存せず、複数のルートを確保することで、納期遅延や在庫切れのリスクを分散しています。大府市や名古屋市内だけでなく、東海三県全域の問屋や商社とのネットワークを強化しています。
早期の材料発注
工事着工の1~2ヶ月前から材料の手配を開始し、価格変動リスクと納期遅延リスクを最小化しています。自社工場の在庫スペースを活用し、必要な資材を事前に確保する体制を整えています。
代替材料の検討
当初予定していた材料が確保できない場合、性能面で同等の代替材料を提案しています。例えば、塩ビ配管の代わりにポリエチレン管を使用するなど、柔軟な対応を心がけています。
価格変動条項の契約への組み込み
見積書や契約書に、一定期間経過後の材料価格変動に応じた金額調整条項を盛り込むことで、急激なコスト増への対応を可能にしています。
設計ソフトによる精密な材料算出
T-FasやreburoToなどの設計ソフトを活用し、必要な材料を正確に算出することで、過剰発注や不足による再発注を防いでいます。これにより材料の無駄を最小限に抑えることができます。
自社工場を活用したコスト削減の取り組み
名古屋市緑区の自社工場を活用した内製化により、材料価格高騰の影響を最小限に抑える取り組みを進めています。
管端フレアー加工の内製化
2024年3月に導入した管端フレアー加工機により、65A~300Aの管端加工を外注せずに自社で対応できるようになりました。これにより外注コストを削減し、納期も短縮できています。
溶接加工の一貫対応
半自動溶接・アーク溶接・TIG溶接に対応した熟練の溶接工が在籍しており、鉄・ステンレス・スチールの溶接加工を自社で完結できます。外注に依存しないことで、コスト管理がしやすくなっています。
後工程への配慮による品質向上
当社では「後工程への配慮を徹底」することを経営理念の柱としています。品質・納期・安全のすべてを維持することで、やり直しや手戻りを防ぎ、結果的にコスト削減につながっています。
自社工場での加工により、材料の入荷から加工・出荷までの工程を一元管理できます。これにより、材料の無駄を減らし、納期短縮とコスト削減を同時に実現しています。
今後の見通しと業界の動向
2026年後半から2027年にかけての材料価格動向については、複数の要因を注視する必要があります。
原油価格は地政学的リスクにより高止まりが予想され、塩ビ配管などの石油製品系資材の価格は当面高水準で推移する見込みです。一方で、円安は徐々に修正される可能性があり、輸入資材のコストは落ち着く可能性もあります。
国土交通省の建設資材物価調査によると、2026年度の建設資材価格は前年度比5~8%の上昇が見込まれており、配管工事業界も引き続き厳しい状況が続くと考えられます。
このような環境下で、業界全体としては効率化とコスト管理の徹底が求められています。デジタル技術を活用した在庫管理や発注システムの導入も進んでおり、東海三県の配管工事業者でも導入事例が増えています。
まとめ
配管工事業界における材料価格高騰は、原油価格の上昇、円安、物流コスト増、世界情勢の不安定化など複数の要因が重なって発生しています。塩ビ配管は40%、銅管は39%と大幅な価格上昇が見られ、現場での調達コストが増加しています。
この状況に対応するためには、複数の仕入れ先確保、早期の材料発注、代替材料の検討、価格変動条項の契約への組み込み、設計ソフトによる精密な材料算出など、多角的な対策が必要です。
愛知県大府市に本社を置く株式会社ケイズファシリティでは、名古屋市緑区の自社工場を活用した内製化により、外注コストを削減し納期短縮を実現しています。管端フレアー加工機の導入や、半自動溶接・アーク溶接・TIG溶接に対応した熟練の溶接工による一貫対応で、材料価格高騰の影響を最小限に抑えながら、お客様のご要望にお応えできるよう努めています。東海三県(愛知・岐阜・三重)を中心に、空調設備工事・消火設備工事・ユーティリティ設備工事・水処理設備工事・プラント工事・エアー配管など、各種配管工事に対応しています。
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